エンジンとシャシー製作
カウル製作よりワンテンポ遅れましたが、並行してシャシーとエンジン製作をしました。当初の計画通りに行かなかった部分や、計画より過激になった部分などありますが、最終的には以下の様にまとまりました。
エンジン
01.クランクケース 製作途中のクランクケース、シリンダー、ヘッドのエンジン本体と、駆動チェーンの中間アイドラーシャフト。シリンダーはマイナス5度に設定され、エンジン全高を低くし、僅かなオイルでもピストンリングが潤滑できる効果を見込みました。 |
02.ヘッド 仮組みしたヘッド。バルブは小径の排気バルブを使用して高圧縮化のために、ピストンとのクリアランスを確保しました。吸気バルブとタペットがドライバーの頭の後ろ10cmにあるので騒音がひどく、エンジンがかかっているとドライバーとピットの交信ができず、これは対策が必要です。 |
03.エンジン組みあがり 予選前日の夕方、エンジンが組みあがった状況。TOM'S大岩社長と森本氏が「ようやく形になったな…」と話しているところ?この時点では写真を撮っている余裕が無く、貴重な記録写真です。 |
04.エンジン左 これは競技終了後のエンジン左側の写真。ヘッドの上に滴下オイルのタンク、クランクケースの下に排出したオイルが見える。シリンダーは鋳鉄なので、土曜日の雨で少し錆びています。クランクシャフトのメインベアリングはモンキー用のスペシャルパーツとして定評の有る、キタコーのベアリングを使用し、これもマイクロロン処理をしました。シール無しのベアリングなので、オイルをベアリングから噴出すことを心配しましたが、極太のブリーザ−パイプを通してエンジンは呼吸をしていた様です。 |
05.エンジン上 同じく競技後のエンジン上部からの撮影。左下は間に合わせで作った軽くて抵抗の少ないオイルキャッチタンク。 |
06.エンジン右 エンジン右側。リタイアの直接原因となった、クラッチとスプロケット。クラッチの働く回転数をもう少し高く、減速比をもう少し低速に設定していたら、S字の坂を登りきれた。?タラレバでは勝てませんね。 |
07.シャシー全体 シャシーが組みあがった状況。アルミ角パイプは50×25×2t。 |
08.ペダル シャシー前端のペダル。ゴーカートと同じに右足がスロットル、左足がブレーキ。ブレーキは2操作系を満足するため、独立なペダルを同じに踏む構造。ドライバーの身長が変わると、ワイヤーストッパーの位置で調整する。マスターシリンダーはドライバーの頭の下にある。ペダルの下に、NACA型の空気取り入れ口が見える。 |
09.ステアリング 窮屈な空間なので、ドライバーは手首から先を左右に動かすだけでステアリングを操作します。金色のアルマイト処理したノブを握ります。アルミの角パイプ・シャシーを支点として、ステアリングロッドを左右に動かす構造。タイロッドとキングピンも見えます。メーターは100km/hまでの自転車用のスピードメーター、スイッチボックスはメインスイッチ、セルスイッチとパイロットランプ。 |
10.後輪 後輪まわり。スポーク越しにディスクブレーキのキャリパーが見えます。昨年までの機械式に比べて信頼性が格段に向上し、ブレーキテストは楽勝でした。 |
11.全体 車検中。全高を下げるため、ドライバーとエンジンを極端に接近させているにもかかわらず、全長は3.3mで、マイレッジカーの中では大型でした。後輪から後ろを切り捨てなかったのは、空気抵抗に対するこだわりからです。 |