Route66ドライヴ記(7) オクラホマ・シティー〜セントルイス〜シカゴ

 6月7日(土)〜6月11日(水)
 オクラホマ・シティーからスプリングフィールドを経由してセントルイスへ
は今まで長く走ってきたInterstate40を離れてInterstate44を走ります。 
 いよいよ最後の項になりましたので、モーテルについて話をしましょう。
 モーテルとは車社会のアメリカが生んだ極めて便利で合理的な宿泊施設です。
 ヨーロッパにはB&Bと言うこれに近いものはありますが、モーテルはありません。
 映画ファンであれば、少々古い話になりますがヒッチコックのサイコを思い
出して頂ければ、モーテルが映画の舞台になっていました。
 モーテルは原則的に予約は不要です。
 しかし、結果的には私達は12泊中、10泊まで予約を入れました。
 何故かと言いますと、気に入ったモーテルの気に入ったタイプの部屋に泊ま
るには、その方が確実であるからです。
 モーテルはアメリカの何処へ行ってもあります。
 具体的に言いますと、ミッシュランのアメリカ合衆国地図に地名が載ってい
るところには全てモーテルがあります。
 全アメリカにネットワークを持っているモーテルチェーンはBest Western, 
Super8, Days Inn, Travelodge等がありますが、この中で日本においてパンフ
レットの入手と予約が出来るのはBest Westernと Days Innで、この両方とも
AAAの10%割引が使えます。
 私達はこの度は全てBest Westernを利用しました。
 12泊の平均宿泊代は朝食つき税込みで78ドルでした。
  この旅行の初めにサンタ・モニカを出発してカリフォルニア州のバストウに
到着し、ここのBest Westernにて希望する部屋、即ち1階で2部屋のコネク
ティングルームに部屋を取ることが出来ました。
 モーテルは殆どが2階建で、エレヴェーターはありませんから荷物が多い場
合には1階でないと荷物を運び上げるのに苦労します。
 バストウのBest Westernの部屋に入ってみて、ここが気に入ったので翌日
泊まる予定のキングマンの予約をフロント係に頼みました。
 モーテルの予約の方法としては現在宿泊しているモーテルと同じ系列であれ
ば、そのフロント係に頼めるし、また別なモーテルであればフリートークの電
話を使ってモーテル会社の予約センターに申し込みますが、モーテルに泊まる
にはクレジットカードは必要不可欠です。
 Best Westernの予約センターの受付係は極めて分かりやすい英語を話して
くれたので予約は容易でした。
 モーテルの部屋はアメリカの一流の都市ホテルと同じ広さがあり、諸設備も
ほぼ同じくらい整っています。
 部屋はとても清潔でベッドはクイーンサイズが2台入っており、バスタブ付
のバスルームがありますが、空調はセントラル方式ではなく部屋毎のルームエ
アコンなので、機械が古いと騒音の大きいものもありました。
 このほか、アイロンとアイロン台は必ず付いていましたが、冷蔵庫は約半数
の装備率で、電磁調理器付きのキッチンにお皿やコップまで付いているところ
が一ヶ所ありました。
 食事については、多くの場合に朝食付の料金になっているので、それなりの
朝食用のスペースがあります。
 この朝食の内容は夫々の場所によって千差万別です。ジュース、パン、シリ
アルにコーヒーと言う簡単なものから、暖かい卵料理まで付く本格的なアメリ
カンスタイルの朝食までありました。
 朝食を取に来て昼食までto goする人もままいるようです。
モーテルで昼食や夕食を取ることが出来るレストランを備えているところは
極めて稀です。私達が宿泊した9ヶ所の中ではアマリロとオクラホマ・シティ
ーの2ヶ所だけでした。
 それでは昼食や夕食は何処へ行けば良いのかと言えば、殆どのモーテルでは
100メートル以内にレストランがあります。
 この他、室外の設備としては飲み物の自動販売機、製氷機、プールは大部分
のモーテルにありますが、コインランドリーは約半数でした。
 コインランドリーはクオターと言う25セントコインを沢山使うので、事前
に貯めておかなければなりません。
また、混み合うことが多いので洗濯をしたい時には早めにモーテルに到着す
る必要があります。
 私達は全くノートラブルでしたが、モーテルはホテルと違ってセキュリティ
ーには弱いので、部屋に入ったら外部に接する窓の戸締りを自らチェックして、
カーテン等の目隠しにも気を使う必要があります。

 オクラホマ・シティーから約300マイルでミズリー州のスプリングフィー
ルドに着きます。
 ここへ鈴木太郎さんがご自慢のニューコルヴェットで私達を迎えに来て下さ
いました。
 SCCJのメンバーとは有り難いものです。私達に会うために何日も休暇を取って
遠路はるばる来て下さいました。
 鈴木太郎さんと一緒に過ごして楽しかった3日間については、私達はこれか
らも末永く忘れられないことです。
 スプリングフィールドからセントルイスまでの出来事については、鈴木太郎
さんのアメリカ便り「ルート66とコルヴェット博物館」の旅に出てますので、
私の下手なドライヴ記は省略して写真のみを掲載させて頂きます。
 

 

 


 セントルイスで鈴木太郎さんと別れた私達はイリノイ州へ入り、途中ブルー
ミントンに1泊しました。
 翌朝、Best Westernの駐車場でこれまで毎朝のようにやってきた行事、即
ちLincoln Town Carのトランクルームへの荷物の積み込みもこれが最後
かと思うと、何となく淋しい思いを感じました。
 

 最終日のNever Lostはこれが最後のご奉公とばかり、ご機嫌良く日本語を
しゃべりながら、私達をシカゴのオヘアー空港の営業所に案内してくれました。
 これで私達の17日間2,622マイルのRoute66ドライヴは無事に終了し
ました。

  この度のドライヴに際して、私は一年以上も前から準備に入り鈴木太郎さん
からはRoute66の地図を頂き、ご近所のRoute66走行経験のある方からは現地
へ行かなければ入手出来ないガイドブックを貸して頂き、親しい先輩からは
NHKが放送した「ノスタルジック ハイウエイ ルート66をゆく」のヴィデ
ィオテープを頂き、ハワイに住んでいる小学校時代のクラスメートからはモー
テルのパンフレットとRoute66の本を貰い、私自身では都内の大きな書店へ行
って地図を買い、JAFへ行ってAAAの地図とガイドブックを貰い等々、出来る
限りの資料を収集し、いろいろな角度からRoute66について検討して準備は
万々整えたつもりでしたが、やはり行って見なければ分からなかったことが山
ほどありました。
 百聞は一見にしかず、の通りでした。

この度の22日間の旅行中、危険な目に会ったり、恐い目に会ったり、不愉
快な目に会ったりしたことは一度も無く、何処へ行っても現地のアメリカの
方々は極めてフレンドゥリーに私達を歓迎してくれました。
特に、オクラホマ・シティーの中心地の交差点で地図を広げていたら、車に
乗っていた中年の男性がわざわざ車を止めて、窓から体を乗り出して「行き先
は分かるか?」と言ってくれたのには驚きかつ感激しました。

出発前の私自身は必ずしも体調は万全ではありませんでしたが、応援して下
さるメンバーの皆さんの声援と同行の家族に支えられ盗難なし、故障なし、事
故なし、怪我なし、病気なしのeverything OKと言う極めてハッピーな状態
にて所期の目的を達成することが出来ましたことを心より感謝しております。

 このドライヴ記についてのご質問、ご意見が御座います節にはご遠慮なく下
記にE-Mailを下さるようお願い申し上げます。

2003年7月

"shimada@sccj.gr.jp"                    島田 誠也