SCCJでは1998年からマイレッジマラソンに会員の杉山さんを中心とした有志が参加していました。この2年間はクラブとしてではなく個人レベルでの参加でしたが、2000年度はSCCJの了解を得た有志がTeam SCCJを結成して参加をします。クラブと賛同者のバックアップを得て、最後のマイレッジマラソンで優秀な成績を収めたいとTeam SCCJマイレッジマラソン・プロジェクトのメンバーは活動をしています。
99年型ではシャシー、エンジンの製作技術は十分でしたが、時間的制約からカウルの製作まで手が回らず空気抵抗が大きいため、リッターあたり150km程度の成績でした。また、入手できたエンジンが90ccで、軽量化しただけなのでオーバートルクでした。この結果、エンジンを吸入ポンプとして無駄にガソリンを浪費していたと反省しています。それでも、全備重量で27kgであり、これはカウル以外の設計と製作にご協力頂いた、株式会社トムスの技術力の高さを示します。
今年度のマイレッジカー製作で最も力を入れるのは、カウル製作です。空力抵抗を極限まで減らすため、前面投影面積と空気抵抗係数を小さくします。前者は全高と前幅の低下。後者は昨年型が上半身を風にさらしていたのをフルカウルにして、カウル後端での整流性を高めます。これにより、昨年は45km/hの最高速度でしたが、今年は80km/h以上を狙い、S字の上り坂でエンジンをかける点を上に伸ばす計画です。
次に、エンジンと駆動系はスーパーカブ50ccのスタンダード仕様のクランクシャフトとピストンを使い、トルクを大幅に落とします。これとギヤ比の調整で、Sじ上り坂でのフルスロットル走行を可能にします。さらに、希薄燃焼を狙ってヘッドを改造してダブルイグニッションとします。また、キャブレター系統と点火時期は簡単なシャシーダイナモを作り、調整の予定です。
Team SCCJ マイレッジマラソンプロジェクト・メンバー
11 島田 誠也、233 矢島 敦 221 後藤 守正 219 羽根 邦夫 448 鈴木 太郎
ご意見、アドバイス、ご援助のお申し出等は、羽根 までお願いします。
![]() TEST1 99年型のカウルとシートを外して、どこまで低く出来るかテスト。ドライバーが実際に着座して、全高と視界の関係を確認。今年はここまで低くするつもり。 |
![]() TEST2 トレッドを確認するため99年型を使った横転テスト中。鈴鹿の第1コーナーに80km/hで進入したときと同等の横Gをかけても横転しないことを確認。トータルの重量は70kg以下。今年も同じ程度でしょう。 |
![]() 木組み内部 いよいよカウル製作にとりかかる。まず原寸の型紙を作り、12mmのベニヤ板に貼りつけて型板を作る準備。本当は20mm以上のベニヤを使うところだが、重くて扱い難いのと経費節減で12mmとした。カウル木組みを最初は下部と上部およびキャノピー部の3分割で作成。写真は下部カウルの型板の組み立て。同じく下部カウルの組み立て。木ネジでがっちり作らないと、ウレタン発泡時に変形してしまう。 |
![]() 木組キャノピー キャノピー部分の木組み。ウインドー部分は2次曲面で、その他は3次曲面。後輪のカバーは別に作ってこの時点で固定した。 |
![]() 発泡 上部カウルの曲面となる部分にポリウレタンを発泡中。室温が30度を越えているので、あっという間に固まってしまう。横に下部カウルが裏返しで置いてある。奥にメンバーと協力者の腰だけが見えている。 |
![]() ウレタン削り ウレタン発泡後、カンナとペーパーで曲面を作る。このあたりは削り過ぎに注意するだけでまだ楽。 |
![]() グラスファイバー貼り 上部カウルのポリウレタンの上に、グラスファイバーの薄いシートを2プライ貼ったところ。予めグラスファイバーシートを切っておき、手早く気泡を抜きながら樹脂を含浸させる。ポリウレタン部分にはグラスファイバーを貼り、木部には次ぎのパテ塗りに備えて樹脂を塗るだけ。 |
![]() パテ塗り 上下カウルを合わせて、パテを塗る。硬化材を入れすぎるとあっと言う間に固まってしまう。結局硬化材は指定の半分、主材は200gr以下にして何回も塗る。メス型あるいは製品を型から抜く時に1度程度の角度を残さないと抜けなくなるので、それも考えてパテを塗る。前方から。 |
![]() パテ削り 全体にパテを塗って、下カウルのパテを粗く面出し部中。面出しは精度と仕上げの両面でまだ不充分。これが本当の肉体労働の開始となる。程よく固まったところでカンナとカッターで削り、60番のペーパーでひたすら削り、削り、削り、パテを盛り、削り、削り、削る。前輪カウルは左右対象だから、1個だけ作る予定。 |
![]() キャノピー取り付け パテ盛りと削りを繰り返して面が出来てきて、パテ削りが終った段階でキャノピーを上部カウルの定位置に収める。ここで記念撮影。 |