Route66ドライヴ記(プロローグ)

No.11  島田 誠也


 ジョン・スタインベックはその作品「怒りの葡萄」の中でRoute66をmother
roadと名付けています。
この度、Route66を走ってみてスタインベックの言う「母なる道」の意味が
おぼろげながら分かったような気がしました。
アメリカ大陸初の大陸横断道路であるRoute66を走ってみた結果、そのキィーワードは
次の三つでした。
1.アメリカは広い
2. 西部開拓
3. 自然の厳しさ
今年の5月22日から6月11日までの17日間をかけてRoute66を走って
きました。
 正確には、旧Route66上の主要都市を主に現在のハイウエイを走って訪れて
きたと言うのが正しい表現です。
 旧Route66は東部の大都市のシカゴと大西洋に面したロス・アンジェルスを
結ぶ最初の国道として1926年に完成した道路でありまして、現在ではこの
ルートはその後に造られたより近代的なハイウエイによって結ばれており、旧
Route66は一般のローカルロードに格下げされ、部分的には通行出来ないとこ
ろもあります。
 日本においても、以前には私達が箱根方面へドライヴする際に利用していた
旧国道一号線が現在では東名道路等にとって代わり、旧国道一号線がローカル
ロードになっていることと同様です。
 旧Route66のルート(道筋)はイリノイ州のシカゴからミズリー州、カンサ
ス州、オクラホマ州、テキサス州、ニュー・メキシコ州、アリゾナ州、を通過
してカリフォルニア州のサンタ・モニカに至る国道でした。
旧Route66ではカンサス州を数十マイル走っていましたが、現在の国道は
カンサス州を通過しないので、ミズリー州から直接オクラホマ州へ入って行きま
す。
カンサス州の人たちは随分失望していることでしょう。
旧Route66を現在のアメリカの道路地図の上で見つけることは出来ません。
現在では旧Route66はアメリカの公道からは消えてしまい、国道66号という番号は
全く別の道路に付けられているからです。
私が旧Route66を走ろうと計画を始めた時に"Rand McNally"社がかなり以前に
発行したRoute66と言う地図をメンバーの鈴木太郎さんから貸して頂きました。
この地図によって旧Route66の概ねのルートは分かりましたが、そのルート
が通過している全ての町の名前までを知ることまでは出来ませんでした。
私は昨年、新宿の紀伊国屋書店にてアメリカの道路地図を数冊買い求めましたが、
どの地図を見ても旧Route66についての記述はありませんでした。
しかし、今年入って偶然にも家の近所に住んでいる家内の知人から旧Route66の
正確な地図を入手する事が出来ました。これを見てこの度の計画が急速に
正確かつ具体性を帯びてきました。
旧Route66はアメリカの開拓史をみても分かるように、起点はシカゴで終点が
サンタ・モニカです。
ナット・キンコールのスタンダード・ナンバー“Route66"でも"It winds from
Chicago to L.A."と唄ってます。
ここが非常に重要な点です。アメリカは東部が主役であり西部は東部によって
開拓されたのです。
そして、この西部開拓のゲートシティ(起点)がミズリー州のセントルイスです。
私達も本来はシカゴから出発したかのですが、日本から行く関係と初夏と言う気候の
関係からロス・アンジェルス・エアーポートにてレンタカーを借りて、このルートを
逆走しました。
そして、添付の地図に地名を記入した12箇所に宿泊してシカゴまでの約2,500
マイルを走ってきました。
この他、昨年NHKの地球に乾杯「ルート66」によって紹介されたRoute66らしい
街である、Oatman, Seligman,Holbrook,及び天下の景勝地であるGrand_Canyon
ナショナルパーク並びに世界でも珍しく木が化石になっているPetrifiedナショナル
フォレストには寄ってきました。
この度、旧Route66を走ってきた印象として一口で言えば「行ってよかった」
と思います。
途中道に迷ったり、アメリカの交通規則にまごついたりしたことは度々ありましたが、
よかったことはアメリカの最高級車リンカーンを17日間も運転して、今まで
ハリウッドの西部劇でしか見たことがなかったアメリカの西部開拓の現状を
自分の目で見ることが出来た事と、大好きなアメリカン・ビーフステーキ三昧の
日々を過ごすことが出来たことです。
この旅行で心強かったのは、在米のSCCJメンバーである鈴木太郎さんがデトロイトの
自宅から800マイルも離れたミズリー州のスプリングフィールドまで私達を
出迎えて、3日間も私達に同行して下さったことです。
鈴木太郎さんお疲れだったでしょう。遠いところ誠に有難う御座いました。
なお、私はこのシリーズで通常のドライヴ記を書くつもりはありません。

このドライヴ記をどのようまとめたら良いか、メンバーの皆さんにご意見を
伺ったところ、HP担当の竹島さんから「世界の車窓」風に構成したら如何でしょうか
と言うサジェスションを頂きました。
そこで、この度の旅行記を「世界の車窓」風に(なっているか否か自信はありません)
通過した街の印象とエピソードに加えてレンター、アメリカン・ハイウエイ、
モーテル、ガソリン等のアイテムをお話してみようと思います。

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Route66ドライヴ記(1) サンタ・モニカ 〜 バストウ
Route66ドライヴ記(2) バストウ 〜 キングマン
Route66ドライヴ記(3) キングマン 〜 グランド・キャニオン
Route66ドライヴ記(4) グランド・キャニオン 〜 ギャラップ
Route66ドライヴ記(5) ギャラップ 〜 サンタフェ
Route66ドライヴ記(6) サンタフェ〜アマリロ〜オクラホマ・シティー
Route66ドライヴ記(7) オクラホマ・シティー〜セントルイス〜シカゴ
Rout66 & New York Tour